2019.07.11
巨大ヘビ型ロボットが人々の困難を救う
防災に関する世界の取り組みを紹介していきます。
第6回はイギリスのOC Robotics社が開発した巨大ヘビ型ロボットを紹介します。
人間が入り込めない場所にも柔軟に入り込むことができる、災害時に役立つヘビ型ロボットが開発されています。
確かな技術力によって作られた高性能ロボット
このヘビ型ロボットは、イギリスのOC Robotics社が開発しました。
OC Robotics社は1997年の創立から遠隔操作を行うためのロボットの設計を専門としており、狭い場所や危険な場所での作業を可能にしています。これまで原子力、航空宇宙、医療、セキュリティなど、多くの産業にロボットを提供してきました。
このロボットは災害時などの過酷な環境下での作業を想定しているため、一部が故障してもすべてがダメにならないよう、簡単に修理ができるように設計されています。また汚染や損傷から守るスリーブをつけても動きに支障が出ないなど、様々な工夫が施されています。
人の手が届かない救援活動も可能に
このロボットは倒壊した建物など、人の手の届きにくい場所を探検して状況を伝達し、閉じ込められた犠牲者を見つけることを可能にします。ロボットに搭載された双方向スピーカー/マイクを使用することで閉じ込められた犠牲者とコミュニケーションを取り、犠牲者の位置と状況を判断することもできます。
動作は細かくプログラムすることができ、広い範囲を動き回ることが可能です。3メートル以上の長さを持ちながらもアームを225度以上に曲げられるという柔軟性を持ち合わせているため、瓦礫の中も慎重に動くことができます。ボディが伸縮することで狭い場所の移動や、専用ソフトウェアで遠隔操作もできるため、人間が危険を犯す必要がなくなり安全に救援活動や作業ができます。
市販されている既製品のカスタムツールと結合することが可能で、検査・クリーニング・固定などの作業もできるといいます。他にも照明やカメラによる探索活動や、レーザー切断機による工事作業まであらゆる業務を可能にしてくれます。
ロボット技術で二次災害を防ぐ
地震の恐ろしさは、揺れだけではありません。救援活動における瓦礫の崩壊は非常に危険で、常に命がけで救援活動が行われています。人間が入ることが困難な危険が及ぶ場所での作業をサポートしてくれるロボット。二次被害を防ぐ防災対策へのさらなる活躍に期待が高まっています。
参考:https://www.crisis-response.com/comment/blogpost.php?post=69