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2019.12.25

飛行型の多機能医療システム「MASH」

飛行型の多機能医療システム「MASH」

大きな災害が発生した時、救急隊や消防隊は救助のための一時的な拠点が必要となります。その拠点としてテントを見かけることが多いですが、テントは運搬や設置に時間がかかってしまいます。今回は、その問題を解決する為にオーストラリアのデザインスタジオHDRが考えた、飛行型の病院システムをご紹介します。

テント設置には時間とコストが掛かる

救助用のテントといえば、鉄骨式の大型テントを思い浮かべる方が多いと思います。実際に多くの災害時用テントが販売されており、鉄骨式のテントは大型の物だと150キロもあるそうで、鉄骨を使わず軽量化されたテントもいくつも開発されています。しかし、テントを設置するには現地までの運搬時間や組み立て時間、そのための人員が必要になったりと時間もコストも大きくなってしまいます。救助活動を迅速に行うためにも、出来る限り早く拠点の設置をしなければなりません。

多機能な飛行型緊急病院「MASH」


そこで考え出されたのが「Mobile Acute Services Hospital(MASH)」です。MASHは飛行型の独立したポッドシステムで、ポッドにはスタッフ用、緊急手術用、基本ケア用などが用意されています。このポッドは災害地の状況に合わせて組み替えが可能で、災害地に必要な物資の供給なども行えます。
自然災害などでは天候の左右もありますが、MASHは雨や雪はもちろん、様々な環境に対応しているため洪水時でも地上に降りることができます。使用されていないときは専用の拠点に保管されるそうです。
テントのように運搬、設置の手間がなく、医療システムをそのまま災害地に移動することができるMASHは、救助活動をより効率的にすることができます。こちらの画期的なアイデアは、Healthcare Design Expo and Conferenceで「Breaking Through」賞を受賞しました。

被害を抑えるため防災の意識を

現実的には技術的にまだ難しい点が多いようですが、実用化することができれば、避けることのできない災害で命を落としたり、後遺症を患ってしまう方を減らすことができるのではないでしょうか。技術の進歩を期待しつつも、災害時の被害を最小限に抑えられるよう、日頃からの防災への取り組みはしっかり行いましょう。

参照:https://www.hdrinc.com/insights/mobile-acute-services-hospital-mash
https://www.hdrinc.com/insights/mobile-acute-services-hospital-mash

Category システム 

Tag MASH 救助活動 防災 防災システム