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2019.07.16

学生デザイナーが開発 低コストの小型地震警報装置

学生デザイナーが開発 低コストの小型地震警報装置

防災に関する世界の取り組みを紹介していきます。
第8回は若手デザイナーたちが発表した小型の地震警報装置「Terra」を紹介します。

世界の地震の約90%は太平洋の盆地、プレートの動きによって発生します。
スウェーデンのデザイン学校UmeåInstitute of Designの生徒たちは、地震の発生率が高いプレートの境界付近に住む人々のために「Terra」を作成しました。

多くの人々が手にできる地震警報機

学生デザイナーたちは地震で火災に巻き込まれた国の人々にインタビューし、地震そのものや被害が及ぼす精神面への負担、災害と向き合う方法や、これらの状況の管理に役立つ情報を収集。さまざまな問題の中で、災害に関する情報の欠如が潜在的な不安やパニックを引き起こし、最悪の場合には致命的な決断をしてしまう可能性があるという問題が発生していることがわかったといいます。

これらの調査結果から「Terra」のコンセプトの基礎を構築。地震に弱い国では地震に対する意識を高め、パニックを軽減する装置を目指しました。
とはいえ地震の発生率が高い地域に住む多くの人々の中には経済的に恵まれていない人々も多数存在します。そこで第2の大きなコンセプトとして、経済状況にかかわらず誰もが利用できるような手頃な価格の警報を作り上げました。

コンパクトで低価格な「Terra」の機能

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インターネットや電話網が機能しなくなるなる可能性がある緊急の状況でも正確な機能を保証するため、「Terra」は信頼できる情報源を確実にして、公式の地震記録機関からの無線信号によって警告を受信します。電源は一般的な単三電池によって供給されるため、停電時にも装置を独立さると共に低コストを実現しています。

「Terra」には、音と光のデザインが異なる2つのモードを搭載。揺れが小さい場合には穏やかな音とゆっくりと点滅する光で、落ち着いて行動してパニックを避けるようにアドバイス。揺れが大きい場合には、「Terra」は強い警報音と激しく点滅する赤い光を発し、即座の行動と避難場所の確保を指示してくれます。

誰もが防災に取り組める世の中へ

経済的に貧しくインターネット環境やテレビが普及していない地域、また人里離れた環境においては、地震の警報や、地震に備えることのできる情報を受け取る手段が狭まってしまいます。「Terra」はそんな地域の人々にも低価格で安全を届けてくれる、シンプルな警報システム。あらゆる地域において、地震に備える防災の意識を高めることにも役立ちそうです。

参考:https://www.jamesdysonaward.org/en-SE/2018/project/-terra-affordable-earthquake-pre-warning-system/