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2019.12.16

宅配ロッカーで防災品のシェアリング、災害対応スポットに

宅配ロッカーで防災品のシェアリング、災害対応スポットに

地震や台風などの災害が起きた後、停電や断水、通信環境の確保に困った経験はありませんか?防災品の提供や災害サービスも、24時間365日の有人サポートには限界があり、いつ復旧するかもわからず不安になってしまいますよね。
今回は、そんな現状から考え出された「シェアリング防災宅配ロッカー」をご紹介します。

災害直後、本当に困ったことは

震災や台風など災害が相次いでいますが、実際に防災品を備えていた方でも「備えが不十分だった」という方はかなり多いそうです。2017年、生活情報サイトのライフレンジャーが被災経験のある全国の男女541人に対し行った『震災直後「本当に困ったこと」』というアンケートで最も多かった回答は「水の確保・持ち運び」でした。飲料水の常備はしていても、生活水の為に給水車から水を運ぶポリタンクなどの用意はなかなか気付きにくいのではないでしょうか。次に多かった回答は「携帯が繋がらない・連絡できない」、次に「食料の確保」となりました。このアンケートからもわかるように、災害の対策はしているつもりでも不十分だったり、通信環境の確保はとても重要となります。

宅配ロッカーが防災システムに変化

シェアリング防災宅配ロッカーは、集合住宅や駅によく設置されている宅配ロッカーに防災機能を搭載したものです。あなぶき興産株式会社、日本電力株式会社、エリーパワー株式会社と株式会社フルタイムシステムが共同開発し、2019年のグッドデザイン賞を受賞しました。
災害直後、無人でありながら必要なサービスの提供をできるようにと考えられ、平常時は通常の宅配ロッカーとして、災害時には防災サービスとして活躍します。

シェアリング防災宅配ロッカーの特徴

こちらの宅配ロッカーは電力供給と防災備品のシェアリングが可能で、震度5以上の地震発生時には自動でロッカーが開放されます。リチウムバッテリーを内蔵しており、災害時には内部に設置されているコンセントが使用可能です。外部からの電力供給が遮断されても、約3時間電力供給が可能で、太陽光発電や自動車を使ってさらに長時間の電力供給が可能です。
宅配ユニット以外に上部には防災品ユニットがあり、非常時に最低限必要な電気・熱・水・食料・通信環境を確保できます。

不安時の交流の場としても活躍

宅配ロッカーは再配達の必要性がなくなり、CO2削減や労働量削減にもつながります。また、災害時は停電などからとても心細くなってしまうことがありますが、住宅の宅配ロッカーが防災システムとなることで災害時には周辺住宅や住人同士の交流や情報交換もできる為、心強い場所ともなりそうです。

参照:https://www.g-mark.org/award/describe/49019
https://sumaiweb.jp/articles/40628