2025.12.15
正しい情報を得るための選択
災害時に求められるのは「判断力」
地震や大雨といった自然災害が発生したとき、人々の行動を大きく左右するのが「情報」です。
しかし、テレビやラジオ、SNS、自治体の広報、そして近所の人からの口コミまで――。
私たちのまわりには、さまざまな“情報の波”が押し寄せてきます。このとき、どの情報を信じ、どれを基に行動すべきか――。
その選択を間違えると、命を危険にさらすことすらあります。
だからこそ、「正しい情報を見極める力」=情報リテラシーが、防災において極めて重要なのです。
誤情報・流言にどう対処する?
SNSの普及により、情報は一瞬で広がる時代になりました。
便利である反面、悪意のあるデマや、善意のつもりで拡散された誤情報もまた、瞬く間に広がってしまいます。
たとえば、過去の災害では以下のようなケースが報告されています。

- 実在しない避難所の情報が拡散され、混乱を招いた
- 動物や外国人に関する差別的なデマが広がった
- ライフラインや物資に関する不確かな情報が不安をあおった
こうした情報に惑わされないためには、「一次情報にあたる」ことが基本です。
つまり、自治体や行政機関、気象庁、防災科研など、公式機関の発信する情報を確認する習慣を持つことが、自分と家族を守る第一歩となります。
情報源を選ぶ基準とは?
では、何をもって「信頼できる情報源」と言えるのでしょうか。
以下のような基準を持つことが有効です:
- 発信者が明確か?(誰が、どの立場で出している情報か)
- 根拠があるか?(数値やデータ、出典が示されているか)
- 更新頻度は高いか?(災害時はリアルタイム性も重要)
- 主観や感情に偏っていないか?(感情的な投稿や煽り文句に注意)
- 複数の情報源と照らし合わせたか?(ひとつの情報に依存しない)
「どこかで見た気がする」情報よりも、「誰が言っているか」「どこに根拠があるか」を確認するクセを、日常から身につけましょう。
防災×テクノロジーで体験から学ぶ
近年では、防災教育にもテクノロジーが取り入れられています。
たとえば「防災VR」では、火災・地震・浸水といった災害を仮想空間で体験し、情報をどう受け取り、どう行動するかを実践的に学べる機会が広がっています。
このように、「正しい情報を得て、行動にうつす」というプロセスをシミュレーションすることは、災害時の冷静な判断に直結します。
まとめ:命を守るのは、日ごろの選択力
災害そのものは避けられなくても、どう備えるか、どう行動するかは自分で選べること。
そしてその選択を支えるのが、「正しい情報を得る力」です。
私たちは日常のなかで、情報にふれ、選び、信じるという行為をくり返しています。
それは決して特別な力ではなく、日々の習慣と意識の積み重ね。
いざというとき、自分と大切な人を守るのは、
情報をどう受けとり、どう行動するかという「選択」なのです。
