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2019.12.02

救急車両における高速道路の渋滞問題を解決した『Median AMB』

救急車両における高速道路の渋滞問題を解決した『Median AMB』

高速道路での交通事故は一般道路に比べて大きな事故になりやすいのですが、ほとんどの場合渋滞が起き、救出までに通常より時間が掛かってしまいます。今回はその問題を解決させた韓国の「Median AMB」という車両をご紹介します。

救急車両は一般道と同じ道を走らなければいけない

一般道路でサイレンを鳴らした救急車が近づいてきた時、一般車両は車を道路の左側に寄せ、救急車に進路を譲らなければなりません。一方高速道路では、追い越し車線の車は走行車線に移動し、渋滞時は車を路肩に寄せるなどの対応をします。高速道路の路肩は通常2.5m、都市高速で1.25mとなっており、救急車が路肩を通行する場合もあるので臨機応変な対応が必要です。

渋滞が引き金となり死亡するケースも発生

救急処置が数分遅れるだけで命が助かる確率は急激に下がります。例えば、心臓が停止した人が3分間放置された場合、助かる率は50%と言われています。高速道路での事故ですが、路肩が工事中で侵入できなかったり既に渋滞が起きていて救急車の進路を開けることが出来ず、命が助からなかったという例も多数あるのが現状です。
今年の2月、中国では緊急車両用のレーンに一般車両が割り込むほどの渋滞が起き救急車が通れないという事態がおきました。通常5分で病院に着く道に30分も掛かってしまい、救急車に乗せられた男性は同日夜に亡くなったそうです。

これまでの解題を解決!中央分離帯を使用した救急車両「Median AMB」

韓国で作られた「Median AMB」は、高速道路に設けられている中央分離帯のレールをモノレールのように移動し、料金所で待機している救急車にいち早く患者を引き渡します。中央分離帯を走る為、渋滞も関係なく、救急車に道を開ける為に起きてしまう事故や救急車自体の事故も防ぐことができます。
このシステムは韓国のデザイナー2人によって生み出され、これにより従来よりも遥かに早く患者を病院へ連れていくことが可能になります。Median AMBは2018年の「Red Dot Design Concept Award」を受賞しました。

一人ひとりの意識で交通事故は必ず減る

高速道路での事故発生原因の一位は前方不注意だそうです。信号や大きなカーブもなく走行しやすい高速道路ですが、その為に気が緩んでしまうことも起きやすいです。Median AMBの日本での活躍はまだなさそうですが、こまめな休憩や時間に余裕を持つなど小さな事でも事故防止につなげることができます。そして、緊急車両通過時は一人一人が命の道を開けるという意識を持つことが大切です。

参照:https://www.design-inspiration.net/inspiration/hong-seonghwan-lee-hyungtaek-lee-taekkyung-song-yoojin-south-korea-median-amb-ambulance/