2019.07.31
AIが戦争被害への意識を高める
防災に関する世界の取り組みを紹介していきます。
第19回は災害が置きた世界を見ることができるAIツール「Deep Empathy」を紹介します。
MIT(マサチューセッツ工科大学)とユニセフは、戦争で荒廃した地域の厳しい現実への意識を高めるためのAIツールを開発しています。
AIで垣間見える戦争の傷跡
今も世界中で5000万人の子供たちが、国境を越えて避難をしたり自国で強制的に避難を迫られたりしています。シリアだけでも残忍な戦争は1350万人以上の人々とその国の子供たちの80%に影響を及ぼしました。何十万もの人々が避難し、帰る家を破壊され失った人々もいます。
「Deep Empathy」は、もし災害に見舞われた場合、世界中の地域がどのように見えるかをAIが割り出してくれます。
画像を認識し被害をシュミレーション
「Deep Empathy」はディープラーニングを利用して、紛争の影響を強く受けているシリア近隣地域の特性を学習。世界中の都市が同様の紛争の中でどのように見えるかをシミュレートしてくれます。入力として「ソース」と「スタイル」の2つのイメージを取り、それらを合わせることで被害のイメージを割り出しています。
AIが深い共感を呼ぶ
遠く離れた場所で起こっている戦争でも、「Deep Empathy」を通して身近な土地を見てみることで戦争の悲惨さや恐ろしさをよりリアルに味わうことができます。自分が暮らす国や行ったことのある場所での様子を「Deep Empathy」でシュミレーションしてみることで、戦争被害について共感を持ち考えるきっかけとなりそうです。