2020.05.14
次世代消防士の訓練は、煙も水も使用しないVRで。
災害は、いつどんなときに発生するかわかりません。災害の中でも火災の場合は、山火事といった自然に発生するものから、事故や不注意で発生する人為的なものまで様々です。消防士の方々は私たちをそのような災害から守るために日々訓練を行っていますが、火災時の煙には癌の発生リスクを高める有毒物質が混ざっているので、訓練のために実際に火を起こして煙の中に入ることは大変危険です。オーストラリアとアメリカの一部の消防署では、よりリアルかつ安全に行えるVRを利用した消防訓練を行っています。
通常訓練では不可能な規模の火災も安全に体験できるVR火災訓練
オーストラリアとアメリカでは、近年発生した大きな山火事の要因が気候変動だということから、今後も火災が増えていくとの予想を立てました。そこでより安全、リアルかつ効率的に訓練を行えるVR技術に着目しました。VRで火災訓練を行える利点は、様々な規模の火災を容易に体験できることと、煙など一切使用しないため安全に行えることです。
訓練生は火の大きさや近さ、方向などを加味してその時々で温度の変わるヒートスーツを着用し、VRヘッドセットを装着して火災訓練を開始します。同時に心拍数と呼吸数の測定も行います。何度も消火活動を行っている経験豊富な消防士もVRのリアルさに感銘したようで、さらに炎が大きくなるにつれて訓練生の心拍数も上昇することから、映像とはいえ、とてもリアルな訓練が行えていると言えます。VRでの火災訓練は、訓練生や環境への影響もなく、消火に必要だった大量の水も使用せずに行うことができます。
VRの活用で、深刻な環境破壊も軽減
今回は、オーストラリアとアメリカの一部消防署で実際に行われているVR火災訓練についてご紹介しました。干ばつ地域の多いオーストラリアでは、有害物質を発生させ大量の水を使用する訓練には国からの制限もかかっていたようです。今回のようなVR火災訓練が世界中で行えるようになれば、現在深刻な問題となっている環境破壊も軽減するかもしれません。弊社でも、煙の中から脱出したり消火作業や火災時の対応シミュレーションなどを行える防災VRを提供しております。レンタルから可能ですので、興味のある方はお問い合わせページよりお気軽にご相談ください。
参照: https://edition.cnn.com/2020/01/29/tech/virtual-reality-firefighter-training/index.html
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