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2019.11.27

消防士の方のために開発されたトレーラー「ハルシオン」

消防士の方のために開発されたトレーラー「ハルシオン」

突然ですが、皆さんは消防士の死因第一位が癌だということをご存知でしょうか。消防士の方は、火災の消火や救出の際に大量の有毒物質に触れてしまい、退職後にも癌を患ってしまう方が平均よりも多いそうです。
今回は、私達を守ってくれる消防士の方のために開発された「ハルシオン」というトレーラーを紹介します。

9.11同時多発テロの活動に当たった消防士や救命士が身体的疾患に

前述した通り、消防士はかなり大きなリスクを抱えています。
アメリカの9.11同時多発テロの際に救助活動に当たった消防士や救命士など約5万人を対象にした調査では、ほとんどの人が精神的または身体的疾患に苦しんでいたことがわかっています。また、その時の救助活動にあたった消防士消防士9,853人を対象にした調査では、他の消防士に比べて癌になる可能性が19%も高いという結果が出たそうです。

発癌性物質は防火衣、ヘルメット、空気呼吸器、ホースや筒先などに付着

現在では世界の消防士の63%が癌になっていると言われており、その割合はこの数十年で上昇しています。近年では木材の建築が減り、家具も含めてプラスチックなどの合成樹脂や合成繊維の物が多くなりました。それにより火災時に発生する発癌性の有毒物質が増え、その発癌性物質は防火衣、ヘルメット、空気呼吸器、ホースや筒先、鳶口、ロープなどに付着します。
直接吸引しなくても、消火活動後の車内や消防署に戻ってからの片付けなどで間接的に吸引してしまい、発癌に繋がってしまうそうです。
それを防ぐには迅速な除染作業が必要で、この消防士たちを守るためにデザイナーのJohn Ju Seok Leeが「ハルシオン」というトレーラーを作りました。

消防士たちを守るために作られた除染作業トレーラー「ハルシオン」

ハルシオンは消火活動後の発癌性物質をの吸引、拡散、汚染を防ぐことにより消防士たちの発癌リスクを最小限に抑えることのできるトレーラーです。
消火活動後、発癌性物質の付着した防火衣や消火器具のを除菌、そのまま保管場所として使用されます。水や洗剤を使用せずに99.97%の空中浮遊粒子と、99.9%の細菌を殺すことができるそうです。
ハルシオンは2010年、デザインを通じて事業活動に取り組むRedDot Design Awardsで賞を受賞しました。

消防士の方への発癌対策を

今回は消防士の方の発癌リスクと対策としたハルシオンをご紹介しましたが、消防士の方向けへ発癌予防プログラムもあるそうです。アメリカでは9.11以降この対策が強化されているそうですが、日本含め世界を見るとまだまだ対策が必要そうです。
在職中からしっかりとした対策で、退職後の家族や個人の時間もゆっくりと安心して送れるといいですね。そしてその為には私達も火災を招かないよう、日頃から火の元の確認などきちんと行い火災防止に努めることが必要です。

参考:http://www.tuvie.com/halcyon-removes-airborne-particles-and-bacteria-to-minimize-the-risk-of-cancer-for-firefighters/