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2019.07.25

炎を感知し火災警報になる壁紙

炎を感知し火災警報になる壁紙

防災に関する世界の取り組みを紹介していきます。
第15回は中国で開発された、火災警報の機能を果たしてくれる壁紙を紹介します。

中国科学院上海硅酸盐研究所(Shanghai Institute of Ceramics, Chinese Academy of Sciences)の研究者たちが、火や煙を感知すると警報音を出せる火災警報壁紙を開発しました。

火災の発生により回路がつくられる

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この火災警報壁紙は、酸化グラフェンという物質から作られたインクでコーティングされています。通常の室温ではこのインクが絶縁体として働くことで、電気の流れを喰い止めています。しかし火災が発生し130℃を超える温度にさらされると、インクの酸素含有元素は燃え尽きて伝導体だけが残り、回路が完成する仕組みです。これにより火災発生から約2秒後にはアラームを鳴らすことが可能。約5分の間通電することができます。

耐熱性にも優れた壁紙

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火災警報壁紙には、ヒドロキシアパタイトと呼ばれる人間の骨や歯にも含まれている不燃性の材料から作られたナノワイヤーが使用されています。研究者たちによって、長く、柔軟なのに頑丈な水酸燐灰石ナノワイヤーが新たに開発されたといいます。これによって耐熱・耐火にも優れており、火災発生時にアラームが鳴るだけではなく炎が広がるのを防ぐこともできるのが特徴です。
この壁紙は折り紙のように複雑な形に折り曲げることや、市販のプリンターを使用してさまざまな模様や着色、画像の印刷をすることも可能だといいます。

生産における今後の課題

この技術は現時点では開発に多くの費用がかかっており、低価格での生産性を高めるためにはまだまだ研究を要するそうです。しかしこの壁紙が一般の住居にも広く普及するようになれば、火災に対する迅速な対処に繋がりそうです。今後の発展におおいに期待が持てますね。

参考:https://phys.org/news/2018-03-alarm-wallpaper-resists-house.html